こちらのページでは、
羽佐間道夫自身の人生経験にて培った様々な知識・うんちくを隔月でありのままに語るコーナーです。
尚、これに関する質問相談は受け付けておりませんので悪しからず・・・。
第1回 「食ったものしか、出ねーんだな」

あくまでも、羽佐間の経験をベースにしたアドバイスですから、絶対ではありません。
「食ったものしか、出ねーんだな」
此れは、ご存知、詩人〔あいだみつお〕の言葉です。
声優の道を歩む方に、メソッドはありません。
あるとすれば、正しく全てを表すのがこの言葉です。
絵にしても、本にしても、演劇にしても、映画にしても、
漫才、落語、講談、音楽、自然などなど目にするもの、耳に聞こえたものを
どんどん身体に吸収する事です。
つまり、「食う事」です。
声優は、語るのですから声に出さなければなりません。
先ずは、聞いたものを、マネで良いですからもう一回「出して」見ることです。
好きな人の芸、感動したものを頭の中にしまっておいて
それを自分でマネして見る事です。
まったく似ている必要はありません。
しかし、物まねが将来色んな事に役立つものです。
小生の場合、落語が好きで、志ん生、円生、文楽をよく真似していました。
後は、想像力を逞しくして、象がしゃべったら、サルがしゃべったら、
鈴虫がしゃべったら、或いは、無機質の壁がしゃべったら、風がしゃべったら
等と状況を勝手に考えて、思い切って大きな声を出してみましょう。
象がしゃべる「ドラえもん」なんてミスマッチが、思いがけない自分を見つけたりするものです。
そんなことを、続けていくうちに、自分にあったトーンが何なのか発見したりします。
まず、色んなものを食べて、何が出てくるのかを確かめましょう。