こちらのページでは、
羽佐間道夫自身の人生経験にて培った様々な知識・うんちくを隔月でありのままに語るコーナーです。
尚、これに関する質問相談は受け付けておりませんので悪しからず・・・。
第5回 「想像力を豊かに」
語って、人に感動を与えたり、喜んでもらったり、喜怒哀楽を伝える語りべ、つまり演者になるためには、
想像する事の出来る基盤が大切という事は、今までにも、さんざん言ってきました。
この、想像力をつけるには、様々な手法があると思いますが、
まず私達は原則的に、日本語を使って表現するわけですから、
歴史的に語る事によって演じられてきた芸能に接する事が重要です。
日本には、様々な声を発する伝承芸能が存在します。
能、狂言、浄瑠璃、歌舞伎、浪花節、落語、講談、等々。無論その源は声明、勤行と云った、お経でしょう。
この日本語の原点をある程度把握する事によって、発声と、想像力の起点に立つことが出来ます。
想像力と云うのは、森羅万象、人間だけに与えられた能力です。
もっとも最近は、猿や、チンパンジー、犬、馬、オラウータン、九官鳥等に
どれだけ想像力があるかを、研究する機関は存在していますが、
まだ学術的に明快な答えは出ていません。
因みに、カラスなどは人間界から様々なもの(ハンガーや衣料など)を盗んで巣作りをしますが
これらは、想像力とは無縁です。本能的に自然界から与えられたもので、既存の知恵です。
さて人間は物を作れる手足を持ち、色を感じる目、匂いを感じる鼻、味覚を感じる舌、
痛痒を感じる神経を、全て脳細胞を使って自由に操ることが出来る、
人間だけに与ええられた、叡智こそ想像力を発達させる唯一の特権です。
その事を踏まえて、次回は、想像力を養う術を、学んでいきたいと思います。